私の英語は「日本人英語」だから。と言う方がたくさんいます。
日本人が日本人英語アクセントで話すことには、なーんの問題もないんですけど、多くの場合、自分の発音に自身がなくて。という文脈でその言葉を聞きます。
そして多くの人が、LとRの区別が難しいといいます。
私も例に漏れずLとRを区別して発音するのは苦手です。
LongとWrongがむずかしい。FlyとFryも。
それから、話しながら文章を紡いでいく中で、Rの音を作るのは難しいです。
「Car」って言ってみたら、それなりにRっぽい音を出していると思うのですが、
「I found a place where we can park the car.」― 車止められるとこあったよ。
って言ってみると、かなり、Rみが弱まり、舌もまるめず、「カー」って言っています。
LとRは重要?
でも、LとRの発音の悪さのせいで、とんでもない間違いになったり、困ったり、恥ずかしい思いしたことはないんです。
もちろん、たまに聞き返されます。しかし、そのせいで会話が完全に止まってしまうことや、話の内容を完全に理解してもらえなかったという経験もありません。相手も、私の発音が完璧でなくても文脈でわかってくれます。
初めて発音してみる住所や、人の名前、LとRを入れ替えたら意味が変わってしまう単語。言い直したり、言い換えたりして、どうにかなったことは、「困ったこと」にはカウントしないことにしました。
どれも、ほぼすべてのケースで、最後にはわかってもらえます。
LとRの発音が悪くて、嫌な思いや恥ずかしい思いをしたことは、ないんです。
ただ、一回を除いて。
「あなたは英語が上手ね」と言われたが。
ITエンジニアとして勤めだしたころ、一人のアイルランド人の英語ネイティブの女性、残り二人の私達、日本人と香港人の英語が第一言語でない者達、という三人の組み合わせで、英語で会話をしていたときのことです。
アイルランド人の女性が「あなた達は英語を話し働いていて、すばらしい。」と言ってくれたのです。
ありがとう!とでも言っておけばよかった場面ですが、褒められ慣れていない私は、「英語を読むのは苦手だけどね。」とお茶を濁しました。
香港人のもう一人の女性が「でも話すのは得意よね。アクセントの少ない英語を話すよね。」と褒めの追撃をくれたところで、アイルランド人の人がこう付け足したのです。
「あなたの英語のLとRは、わかりにくい。インターナショナルな会社で働くならもっと練習したほうがいいよ。」
インターナショナルな会社で働くならLとRの発音は、必須技術なのか。
一瞬の静寂。
一瞬の間でしたが、私の頭の中ではいろんな感情が駆け巡りました。
「やっぱり私のLとRの発音って悪いんだ!ショック。」
「余計なお世話すぎる。」
「インターナショナルな会社で働くのに、ほんとにLとR重要か?」
「うちの会社、ものすごい白人率だけど、一応インターナショナル、か。」
(「この人、また私の英語のレベルの話したがるな・・・。」)
正直、私はすごく嫌な気持ちになりました。
世界中のノンネイティブスピーカーたちが、自身の英語の理解や発音が完璧でないことは、誰に教えてもらえなくてもわかっています。
あなたの英語の発音は完璧じゃないから直しなよ、と言われるのは、太っているから痩せなよ。と言われたのと似た気持ちでした。
「太っていることが悪い=発音が悪いことは悪い」という価値観の押し付けと、
「痩せなよ=練習しなよ」という、共感性に欠いた雑なアドバイス。
じゃ、インターナショナルな会社では重要だという点についてはどうだろう?
本当にLとRが、とんでもなく重要で、伝えてあげなければいけないこと?
私は自信を持って言います。答えは「No」です。
そうか、ありがとう!頑張るね。と、思ってなくても言えばよかったんでしょうけど、言い返すことにしました。
「インターナショナルな会社に勤めてるんだから、LとRだけじゃなくて、いろんなアクセントや発音を聞き取れるようになったほうがいいと思うよ。」
「インターナショナルな会社で必要なのは、人の英語の間違いを論うようなこと言わない方が良いって感覚だよ。」
結果はご想像の通り、「せっかく教えてあげたのに。私だって中国人の友だちがいるからインターナショナルだ。」とプンスカされて、後日会社では無視されるようになりました。
いいですか、皆さん。インターナショナルな会社で必要なのは、社交術ですよ。
嫌なこと言われたからって全部に立ち向かうと、あんまり良いことないですよ。
自己弁護のスペースをください。
先述、意味深にカッコ内で示したように、この人が私の英語を褒めておいたあと、落とすというのは初めてのことではありませんでした。
なので、嫌気が差して反論したのです。
いいですか、皆さん。インターナショナルな会社内の成功で必要なのは、社交術ですよ。
というわけで、LとRの発音が悪いと意地悪な人に、会うかもしれませんが、そういう人はきっと、どの発音もどの間違いも、英語以外のことだって揚げ足とってくる人で、私はこのたった1人を除いて、こんな意地悪なことを言われたことはありません。カフェで働いたときも、バーで地元の人とサッカー観戦しているときも、ライブハウスに出演して英語で歌ったときも。
こういう人は放っておいて、私達はLとRの発音を気にせず、のびのび、堂々と、英語を話しましょう。
それでも、やっぱり今よりスラスラ、英語らしい発音がしたい。
という方のために、次回はLとRよりも、簡単に練習できて、できるようになると、とたんに英語らしさが上がる、3つの音について解説しますね。
カタカタな英語脱却のためのレッスンはこちら。
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